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その頃ノア日本支部では三浦が尋問を受けていた…
『ではFEATHERのメンバーについては何もわかっていないという事かね?』
三浦の上司であろうその男の問いに三浦は冷静に答える。
三浦は嘘をついていた…
清美がFEATHERの一員である可能性がある事、貴史と面識がある事、イカロスを部下に置いているという事…
どれか一つでも嘘がバレてしまえば自分の首はおろかイカロス、清美、貴史もタダでは済まないだろう。
しかし危険を承知で三浦は嘘をついた。
今回の事件に関してノアも信用出来ないと判断したからだ。
報道では大規模な捜査を行っている様に言われているが、実際は全く進展していない。いや、進展しない様に情報操作している感じさえする…
表情を崩さない様に気を配る三浦に上司は違う質問を投げ掛けた。
『この事件以前にノアからFEATHERに報酬として一千万円が支払われている。これはどう説明する?』
『以前ネットで捜査協力を依頼し、彼らが解明に多大な貢献をした事から報酬を払いました。これは日本支部長の承認を得ています。』
その際も接触はしていない事を強調し、三浦は椅子に座った…
『わかった、今回は君を信じよう。』
そう言うと男は一枚の紙を三浦に手渡した。
『辞令書だ、君には今から中東に飛んでもらう。』
辞令書には、テロ組織フラワーの捜査チームに加わる旨が記されていた。
『辞令は本日から有効だ。急ぎ中東へ向かってくれたまえ。』
FEATHERと引き離す為の辞令か…しかし組織の一員である以上、命令は絶対だ。
『了解しました。では、失礼します。』
三浦は自室に戻ると監視カメラや盗聴器等がないか確認し、イカロスに連絡を取った。
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