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清美は会議室の椅子に座ったまま考え込んでいた…
今まで起きた3回の爆破事件…東京、京都、そしてまた東京…
最初の2回の事件は恐らく国に脅しをかける為の者で一般人の被害は無い。
今回の事件は私達(貴史さんとだけ接触した事からノアの捜査報告書のデータで彼をFEATHERと思ったのだろう)に脅しをかける為だけに起こした事件だ。
おかしい…
何故国と交渉する為の事件より素人相手に起こした事件の被害が大きいのか?
また、何故私達を生かしているのか?
犯人側にしてみれば私達を殺してしまえばそれで済む事ではないか?
あの場所を爆破するならFEATHERだと思っている貴史さん諸とも爆破した方が手間が省けるはす…
また、犯人は貴史さんと直接接触を持っている。
そこから犯人を探し出そうとする可能性は充分ある。
実際店内のガラスに反射した男の顔を鮮明ではないが写す事に成功しているし…
これでどう動くか様子を見ているとも考えられるがそうだとしたら質が悪い。また絶対に捕まらない自信を持った上で半分遊んでいるだけかも知れない…
清美は貴史から赤外線通信で手に入れた男の顔を出来るだけ判る様に修正しながら今回の爆破事件から一連のテロ事件の容疑者を割りだそうと思った。
一方貴史は自分のせいでなんの罪も無い人達を犠牲にしてしまった事により罪の意識に苛まれていた…
どうしてそんな簡単にあんな事が出来るんだ…
日本という平和な国に生まれ、ニュースでしか戦争や内紛を知らない貴史には彼らの気持ちがわからなかった。
しかしこのままここに居ても自分は安全かも知れないが、また何の関係も無い人達がいつ被害者になるか判らない。
『笠木さん、ジュース買って来ます。』
自分が買って来ると言う笠木に後で清美の所に行くから先に行く様に言い貴史は本社ビルを後にした…
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