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部屋に入った貴史は女の命令通りソファーに座った。
少ししたら女がティーカップを二つ持って来た。
『ミルクティーしか無いけどいい?』
貴史はティーカップを受け取ると口を付ける事無くテーブルに置いた…
『ん?毒なんて入ってないわよ。』
女はミルクティーを一口飲むと貴史に話しかけた。
『まず貴方に嘘をついていた事を謝らなくちゃね、ゴメンね。』
???
いきなりそんな事言われても…
動揺する貴史に女は事件について話し始めた。
彼女は今日貴史が写した写メのデータを差し出す様に言った。
うまくいけばこの男から犯人グループに辿り着けるかもしれない。
また、自分の身分を証明する為、身分証を貴史に見せた。
そこにはローマ字でAI SUZUKIと書かれていた。
鈴木 愛…か
何気なく身分証の裏を見た貴史は驚いた。
BNI…
ここでBNIについて少々説明を…
この組織はドイツの連邦情報局で
ヒューメント(対人諜報)
シギント(暗号諜報、電子情報保安庁)
クラウス(組織犯罪、国際テロ対策)
エスパーダ(保安)
の4つの専門分野に別れている。
軍隊に属しておらず戦闘訓練等も受けていない。
しかし情報収集能力はアメリカのASA(国家安全保障局)に次ぐ程に優れている。
『そ、私はクラウスに所属しているの。つまり国際テロ事件担当って訳。』
鈴木愛はノアの捜査が全く進展していない事を不信に思った上層部から特命を受け、極秘に日本に入ったらしい。
ノアに不信感を持っているのが自分達だけじゃない…
貴史は携帯を愛に渡すとミルクティーを飲んだ。
『あ、それから暫く私と一緒に行動してもらうからね。彼女に心配しない様に電話しといてね。』
愛は貴史に携帯を返すと再びティーカップを手に取った。
他の女と暫く居るから帰れ無いなんて言ったら…
こ、殺されちゃうよ…
貴史はおもいっきり冷や汗が出てくるのがハッキリわかった。
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