~FEATHER~

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『とにかく、清美に危険が及ぶ可能性がある以上帰る事は出来ない。』 貴史は愛と居る事を言わないでいた。 っていうか言えないでいた… 『いやです、今すぐ戻って来て下さい。』 もう30分位同じ事を繰り返している二人だが、お互い譲る気配は全くなかった。 イヤホンの片側で話しを聞いていた愛も少し呆れかえっていたが、次の瞬間真剣な表情に変わった。 『貴史さんに接触した男の身元がわかりました。ノアの三浦さんにコンタクトを取れば数日中には捕まるでしょう。そうなれば事件解決も時間の問題です。だから…』 -なんでこの子がそこまで出来る?しかもノアにコネクションがあるなんて…まさかこの子…- しかしノアとコンタクトを取られるのはマズイ…上層部の考えでは少なからずテログループとノアは繋がっているはず。そんな所に情報提供しても隠蔽された上このお嬢ちゃんもただじゃ済まない… 愛は貴史から携帯を取り上げ電話を代わった。 『白井清美さん、実は私が貴史君の身柄を預かっています。彼に会いたいならこのまま電話を切らずに今から言う場所まで貴女の持っている情報を持ち来て下さい。』 突然女の声に変わったので少し驚いたが電話を切るなとか情報を持って来る様指示を出して来たのですぐに犯人の一味だと勘づいた。 『わかりました、言う通りにします。ですから貴史さんの身の安全は約束して下さい。』 相思相愛ってやつね… 『わかりました。では…』 愛は清美にホテルのルームナンバーを教えると清美の到着を待った。
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