~FEATHER~

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データを確認した愛はソファーに座っている二人に声をかけた。 『とにかく…今日はもう遅いから本格的な調査は明日からにしましょう。』 そう言って愛はバスルームへ向かった。 とりあえず一日で任務を達成出来たのは大きい。 しかも白井清美の腕があればいちいち本部のシギントにお伺いを立てなくてもよさそうだ。後は… 『あの子でも無理だったのかしら…』 独り言を呟きながら湯舟でその子の事を考えていた… その頃リビングでは… 『鈴木愛さんか…綺麗な人ね。』 清美は疑いの眼差しを貴史に向ける。 『な、なんだよ…』 たじろぐ貴史に清美は更に疑いの眼差しを送る。 『怪しい…』 清美の視線にやましい事など何にも無いのになんだか後ろめたい気持ちになる貴史… 『なんだよ!俺の事信用出来ないのかよ!』 『はい、信用出来ません。』 あまりの即答に貴史は言葉を詰まらせた。 『どうしたら信用してくれるんだよ!』 貴史は数秒後にこのセリフを後悔する事となる… 『キ…キスして下さい。』 しまった…こうなったら誰も清美を止める事など出来ない。 『いや…それは…』 『出来ないんですか?やましい事、あるから。』 もはやそういう問題じゃない気がするが貴史は心臓の音が大きくなっていくのが自分でわかった。 『私を安心させてくれないんだ…。』 その言葉に貴史は覚悟を決めた。 『清美…』 『はい。』 清美は真っ直ぐ貴史の目を見つめていたが、貴史はそれが凄く恥ずかしかった。 『目…閉じてくれないかな?』 言われるがまま清美は瞳を閉じた… 『好きだよ。』 貴史は震えを押さえつつ清美にキスをした。
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