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『じゃ、気をつけてな。』
ビルの入口で別れを告げた貴史にマーメイドは笑顔で答え去って行った。
『さて…愛の所に戻るか。』
再びエレベーターに乗り最上階に戻ると清美が愛の居る応接室へと入って行くのが見えた。
貴史は急いで清美を追い掛け応接室に入ると、二人は真剣な表情で会話していた。
『確かに…その策が上手くいけば奴らを一網打尽に出来る。』
愛は清美の持つノートパソコンの画面を見ながら頷いていた。
『しかしこの策を行うには大変な根回しが必要になって来ます。』
愛も同じ事を考えたのだろう。ティーカップを口に運びながら清美の方をちらっと見た。
『今のままこの情報を発表してもノアに隠蔽されるのは間違い無い、最悪偽造扱いされ私達が国際指名手配されるかもね。』
なになに?なんか大変な事になってきたぞ…
『ちょっといいか?なんか物騒な事になってるみたいだけど…』
貴史の不安そうな表情を見て、清美は愛と話していた事を貴史に説明し始めた。
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