僕とパンドロの箱～壱～

～FEATHER～

『…という作戦だ。先ずはフラワーの構成員の身辺調査からだな。今日中にターゲットを選定する。』

貴史はパソコンの前に座り構成員のリストを開いた。

『じゃあ私はドイツのＢＮＩに掛け合って各国首脳のスケジュールを洗い出す事から始めてみる。』

そう言って応接室へ戻ろうとする愛に、

『この作戦は全世界同時に公表する事にかかってる。ヨロシク頼む…』

真剣な表情の貴史に愛は少し笑いながら、

『任せておきなさい。ＢＮＩ捜査官の名は飾りじゃないとこ見せてあげる。』

そう言って部屋を後にした。

愛が部屋を出た事を確認した貴史は清美に、

『じゃあ清美…タッチ…』

『やっぱり…』

清美は知っていた…

貴史にそこまでの力は無い事を…

清美は貴史と席を代わると詳しいデータの収集に取り掛かった。

『俺は彼からの連絡待ちか…』

携帯を開き待受画面を見ながら貴史はソファーに座った。