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しかしいくら貴史が頼んでも流石に聞ける事と聞けない事がある。
貴史はどうやって清美を説得するか考えながら玄関を開け、ダイニングの椅子に腰掛けた。
が、次の瞬間…
もっと重大な事に貴史は気付く事になる…
『これ俺が一人で食べなきゃいけないって事?』
コンロの上の鍋には麻衣子の作った肉じゃがモドキが大量にあった…
『伊藤さんに食べて貰えばよかった…』
貴史はこりゃ考えるどころじゃないなと観念し、料理を温め始めた…
翌日…
停学中である為、直接会う事は出来ないのでメールで昨日の事を伝えた。
数分後、清美からのメールには
-いくら貴史さんの頼みでも流石に即答は出来ません。少し時間を貰っていいですか?-
と、書かれてあった。
そりゃそうだ…いきなり株主になって下さいと言って、はいなんて即答されたらこっちが面食らう所だ。
貴史はゆっくり考えてくれと返信するのが精一杯だった。
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