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被っている布団の上からとは言え、加減無く力任せにクレドの事を何度も叩く。
「ネロ、どうしたの?ネロ」
騒ぎに気付いたキリエが部屋のドアをノックする。
「キリエ…うあっ!痛い痛い痛い!!!!…もぅ!」
苛立ったのだろう。クレドの肩を叩こうとした時、クレドも体を起こしてしまい、良い具合いにビンタしてしまう。
「…痛ってぇ…」
「クレド!クレド!どうしよう…あのね…はす、痛いぃっ!!」
「ネロ。破水だって?」
「うん…産まれ、そう…」
お腹を抑え、蹲るネロ。
「車出すから、少し待ってろ。急いで着替える」
「早く…あぁっ!」
バタバタと着替え、車のエンジンをかけ、ネロの様子を見に行くと、キリエに支えられながら歩いてきていた。
「大丈夫か?」
「今さっき、痛みが治まったから、早く行こう」
また、陣痛に襲われる前に車に乗るが、乗った途端にまた陣痛が来てしまう。
「頑張れよ。すぐ着くから」
逸る気持ちで飛ばしがちになってしまうが、この状況では急ブレーキすら出来ない。
病院に着くや否や、ベッドに乗せられ、そのまま病室に連れて行かれ、クレドは質問責めに合う。
「何時頃最初の陣痛来たか解りますか?」
「さぁ?さっき…20分ぐらい前に、
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