新しい家族

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冗談混じりにそんな言葉を並べるネロだが、子供をあやす様は、すっかり母親の顔をしている。 「可愛い~」 産まれた子供の顔をキリエが覗き込むと泣き出してしまい、びっくりしてしまうキリエ。ネロが軽くあやすと直ぐに泣き止む。 「宜しくってな。バージル」 「バージル?」 初めて聞いた名前に驚くクレドだが、ネロは軽く頷いて見せた。 「この子にはバージル以外似合う名前が無くて…  クレドが気に入らないなら、変えるけど…」 「ネロがそうしたいならバージルで良いんじゃないか?響きも良いし」 「そう。  良かったなバージル」 「宜しくね~、バージルちゃん」 キリエが指を差し出すと、しっかりと握るバージル。その可愛らしさにクレドとネロも笑顔になる。  退院の日、クレドは相変わらず仕事だが、代わりにキリエが迎えに来て荷物を持ってもらい、ネロはバージルを抱いて家路についていた。 「大変だなぁ…」 「そりゃあね」 病院で世話の仕方を色々と教わりはしたが、いまいち自信が持てないネロ。 「大丈夫よ。何かあったら隣のおばさんが、何でも聞いて。って言っていたし」 「頑張らなきゃ…」 腕の中に居るバージルの寝顔を見ると、不思議とやる気が出てくる。
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