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「!?」
女性が振り向くと同時に、ネロが悪魔の眉間にブルーローズを放ち、悪魔を葬る。
「ありがとう」
胸を強調させてネロに歩み寄る女性。
「えっと…、確か…新入りの…」
「グロリアよ」
ウィンクをしながら右手を差し出すグロリアだが、ネロは握手をするのを躊躇ってしまう。
「あなたはネロね…噂通り」
「どうせロクでもないんだろ?」
ため息混じりに返答すると、くすり。とグロリアが笑う。
「隊長さんはネロの事、山百合みたいだ。って言ってたわよ」
「はあぁ!?」
上擦ったような声を思わず上げてしまうネロ。まさかそんな風に例えられていたとは思っていなかった。
「女一人で良く頑張っているアイツは、薄暗い中の日溜まりに咲く百合だ。って。
中々良い比喩してるでしょ?」
「…気色悪っ…」
がっくりとうなだれてしまうネロの肩を叩き、もう行くわ。と声をかける。
「別の場所の応援に行かなきゃならないのよ。機会があれば、ゆっくりお話ししましょう」
「あー…」
気を取り直す様に、眼前にそびえ建つフォルトナ城を睨むネロに、グロリアは少し口角が上がる。
「あなたに神の御加護を」
その言葉にネロは振り向くが、グロリアはネロに背を向けて歩いて行ってしまう。
「…加護…ね」
鼻で軽く嘲笑うと城の中へと入るネロ。
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