黒い糸

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「あのオッサンが勉強?…んな訳無い無い」 独り言に苦笑いしながら、投げ出された一冊の本を手に取り、机に座り、目を通し始める。 『あのウザい笑い声の奴、スケアクロウって言うんだ…氷の奴は、フロスト…!』 視界の済みに入った動きに、反射的にブルーローズを構えるが、銃口の先に居たのは教団の白いフルアーマーの騎士。 「ビビらせんなよ!  下手したら、お前死んでたよ!」 ぎゃんぎゃん騒ぐネロだが、白い騎士がネロの腕に気付いたのか少し視線を落とすが、ネロは白い騎士に左肩を見せる様に体制を変えた。 「で、アンタは何しに此処に?」 ページを捲りながら、質問してくるネロの問いに答えようとはせずに、一歩一歩近付いてくる白い騎士。 「…シカトするんだ。アンタ嫌いぃ~」 冗談の様にも、本気の様にも聞こえるネロの言葉だが、白い騎士は突然、得物のランスでネロの事を突いてくる。ネロも手にしていた本でランスを受け止めた。 「冗談だろ?」 生意気そうに軽く笑うと、ランスを蹴り上げ、レッドクイーンに手を置き、白い騎士と対峙する。 「本気でやる?後悔するぜ!」 レッドクイーンのイクシードを発動させ、白い騎士と鍔迫り合いになる。 「それがアンタの本気かよ?」
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