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『本当、何々だよ。この城…俺でも知らない事、多すぎるっつの』
隠し扉をくぐると、目の前には青白い炎が閉じ込められたアンティークのランプの様な物が、小さな小部屋の中心に座している彫像に守られる様に置かれていた。
「…綺麗…」
引き寄せられる様にランプの様な物を両手で取り、ゆらめく青白い炎を眺めてしまう。
『…?』
ランプのフレームに何か文字らしき物を見付け、首を傾げるネロ。解らない。と言うより、思い出せない。と言った雰囲気がある。
ふっと蔵書室に顔を向けると、今までずっとオブジェだと思っていた物に目が止まる。
『…そう言えば、何であれ、城に沢山あるんだ?』
ランプを手にしたまま右手でオブジェに触ると、ガタリ。と動く。
「わ!…え?」
驚き、反射的に右手を引いてしまう。
『前、ムシャクシャしてた時、こいつ殴ってクレドに怒られたなぁ…
壁とか蹴っても、一言怒られる程度なのに…何で…』
出てくるのはクレドに怒られた記憶ばかり。
持っていたランプは、あの水晶の頭蓋骨らしき物の様に、光になってネロの右腕に消えた。
「…百聞は一見にしかずぅ!」
冗談の様に、友達とじゃれ合う様にオブジェに右腕でアッパーを入れると、オブジェは突如動き出し、その場で回転し始めた。
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