黒い糸

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「うをっ!?」 思わず体を引いてしまうが、再度オブジェを殴ると、回転したまま移動をする。  いつの間にか蔵書室のドアには青白い文字が書かれた黒い石板があり、ネロ自身ではどうしようも無かった。 「閉じ込めって…勘弁して欲しいなぁ…」 困り果て、出る手だては無いか考えているネロの視界の隅では、あのオブジェが延々と回り続けている。 「……止まれよ!!」 苛つき、オブジェにレッドクイーンを振り下ろすと、ギミックが発動し、数本の刃が出てくる。 「んなっ!?」 レッドクイーンを両手で握り、なお回り続けるオブジェを呆然と眺めるネロだが、あることに気付く。 『…もう一回、アッパーかけたらどうなるんだろ…』 論より証拠。考えるより先に回転するオブジェにアッパーをすると、ドアの前にあった石板を壊してくれた。 「ビンゴぉ!」 足取り軽くドアに向かうネロだが、運悪く、オブジェが撥ね返り、ネロに向かって来てしまう。 「ぎゃああぁぁあ!!」 顔面蒼白で思わず叫びながら逃げ惑うネロ。暫くするとオブジェは止まった。 「ばっ…場所が悪かったな…」 蔵書室を後にし、大回廊に向かうネロ。  普段なら何事も無く通り過ぎてしまうが、気が向き晩餐室のドアを開けた。
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