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「何も無い…?」
中央に配置された重厚なテーブルにネロの指先が触れるかどうかの時。蔵書室で聞いた金属音に驚き振り向くと、さっき戦った白い騎士が居た。
『逃げるが勝ち!』
晩餐室の奥にある通路に逃げようと、全力で走るネロ。
「ぶっ!?」
顔面を激しく何かに強打してしまうネロ。
見た目は特に変わっていないが、何故か通れない。
「マジかよ!」
右腕がじわりとうずく。どうやら通路にあるのは結界の様だ。
白い騎士の方に振り向くと、得物のランスをネロに向かって突いてくる寸前だった。
「ぉわっ!!」
突いて来られたランスに器用に乗り、そのまま踏み込むと、白い騎士の頭部を蹴り飛ばすネロ。
レッドクイーンを構え、ネロがテーブルに着地すると、前後から挟み込む様に白い騎士がじりじりと間合いを詰めて来る。
「よっ!!」
さっき頭部を蹴り飛ばした騎士に飛び乗ると、案の定、無傷の騎士が勢い良くランスを突いてきた。
ふわりと避けると、騎士同士相撃ちとなる。
「悪ぃな」
ニヤリと笑い、部屋の奥に進むと結界は消えていた。
『出られなくなったら、部屋の悪魔を全部倒せってか…』
面倒くさそうに、歩いていると、定期的に熱風が吹き付けてくる。「何だ、ありゃ…」
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