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ガギィィイィンッ!!
「またてめぇかクソガキ!」
大剣を受け止めたレイド。その手にはグニャリと曲がった鉄パイプが握られている。
「ぐっ…」
手が痺れる。だが鉄パイプが斬られなかったのは不幸中の幸いだ。斬られた街の人々の血が切れ味を鈍らせたのだろう。
「レイド!」
「イリアは下がってて」
有無も言わさずイリアを後ろに下がらせる。
「魔王の事なら僕が教える…」
「ほう…。まさかとは思うがお前もあの村の?」
レイドが無言で頷くとゼクスは狂ったように笑い出した。
「なんたる運命! 言え、魔王について知っていることを全て!!」
「その前に。その手の大剣は…………剣~ツルギ~だな?」
「よくわかったな? そう、具現化した……形にした剣~ツルギ~だ」
その言葉に炎に囲まれ逃げ場を失っていた人々が動きを止めた。
全員が疑問に満ちた視線を送ってくる。
そんなことができるのか?
「できる! 己の剣~ツルギ~を支配するほどの精神力があれば人は剣~ツルギ~を武器にして使えるのだ!」
ゆえに剣~ツルギ~
他に名称の付けようもあった中、あえて剣と名付けられた由来。
「剣~ツルギ~とはまさしく、剣を心にした物! 心を剣にした物! 人の心の力そのもの!!」
想いの強さが剣~ツルギ~を強くする。
ゼクスの話が終わったのを見計らってレイドが口を開いた。
「そう。そして血染の魔王とは……」
「剣~ツルギ~を支配できずに暴走した1人の村人なんだ」
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