序章

2/3
前へ
/95ページ
次へ
「ハハハ……ハーハハハッ!!」 小さな村だった。 学校が1つだけあって、ほんの少しの子供達がいて、百人程度の村人が1つの家族のように過ごしていた。 そんな小さな村。 村人たちにとってはその小さな村が全て。 その箱庭は人々の世界だった。 けれど今はそんな名残は1つもない。 赤。 村の、世界の全てが赤に染まっていた。 燃え盛る炎。 地面までもが倒れ伏した人間だった物の血で赤に染まる。 「ハハハハハハ…」 そんな赤い世界の中心で笑う中学生くらいの少年もまた………赤。 髪も、目も、服も……元々は赤くなかったのだろうが、今は完全に赤に染まっている。 返り血を浴び、赤き死神の如く笑う少年の手には命を奪うために生み出された道具。 やはり赤に染まった… 剣~ツルギ~
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

207人が本棚に入れています
本棚に追加