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「号外~号外~!」
髪も肌も服も白い少年が街を歩いていると突然声と紙が降ってきた。
少しかがんで地面に落ちた紙を拾いあげ、見る。
『大量斬殺事件! 犯人は血染の魔王か!?』
人の心には『剣~ツルギ~』がある。
詳しいことは誰にも解らない。
ただ感じるのだ。
折れてはならない、曲がってはならない。
剣のような想いが心に──。
そして人々は自分の剣を感じ、剣を信じて生きる。
剣は人それぞれ。
だがほぼ全ての人々の剣に共通するのが『良心の具現化』である。
こうしなくてはならない。
こんなことをしてはならない。
だから剣~ツルギ~を研究する学者の中には剣とは自身の『正義』だという者も多いし、それほど間違ってもいない。
だから人々は純粋に自分の剣~ツルギ~に従い、生きるのだ。
だが、逆らう者は必ずいる。
剣を折り、己の正義を否定し、犯罪に手を染まる者。
そんな者達を人々は剣を捨て魔性(オカルト)を信じた異物。
悪魔と呼んだ。
そして悪魔の中でも特に強大な力と存在感で君臨する大犯罪者。
魔王。
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