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「ぬ?貴様何を言っておるのだ?テレビ?ドッキリ?それは何なのだ??」
小生意気な口調で話しながら、首を傾げる幼女。
「子役か何だか分からんがあんまり年上をからかうなよ――ほら、この辺りに糸でもついてんだろ…」
白々しく誤魔化しやがって――そう思いながら俺は、幼女を宙に浮かせている糸が有るだろう場所へ手を伸ばした。
スカッ
伸ばした手は、空を切っただけだった。
「あれ?」
相変わらず寒い気候の中で、一筋の汗が流れる。多分冷や汗だ。
幼女は不審な表情をしていたが、なにも言わずに俺の行動を見ていた。
諦めずに先程空を切った場所の近くで糸を探して手を振ってみたが、何も掴めない。
糸がない=宙に浮けない=目の前の幼女はどう見ても浮いています=…どうやって??
「ふん もう気が済んだか??全くどいつもこいつも我を信じない!」
俺の行動をみていた幼女は不愉快そうな顔を隠しもしないで、俺を睨んだ。
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