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「な!!貴様はまだ我を疑うのか!!何という無礼な!!我は――我はサンタクロースなのだぞ!!平伏すのが当然であろう!?」
………は?
幼女が偉そうにふんぞり返りながら名乗った名前に、俺の思考は完全にストップした。
「"山太苦 ロース"?……変な芸名」
「変な所で区切るな馬鹿者!!サンタクロースじゃサンタクロース!!貴様もしやサンタクロースも分からぬ愚か者じゃなかろうな?」
「…俺の思うサンタクロースとお前の言うサンタクロースは正反対なような気もするが…まぁサンタクロースを知らない訳でもない」
とりあえず俺の知ってるサンタクロースは幼女じゃないし、宙に浮かないし、偉そうに「平伏せ!」なんて言わないし、天使のわっかもないし。
そもそも7月に来ることはない。
一般にサンタクロースと言えば――クリスマスの夜に子供達にプレゼントを配る、ひげもじゃのじじぃだろ。
ちなみにお伽話の中だけにしか存在しない。
このご時世に、世界中の見知らぬガキ共にプレゼントを配るような懐に余裕の有る奴なんて居るわけがないのだから。
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