7人が本棚に入れています
本棚に追加
まだ建って間もないだろう綺麗な一件家についた。
カイトの家だ。
ドアは開いている。
家に親が居る時なら当たり前なのだが、何かただならぬ雰囲気を感じる。
‘ガチャッ’
戸を開け、恐る恐るリビングに向かう廊下を渡る。
‘バシュ!’
聞きなれない音とともに、‘バタン!!’という音が響いた。
カイトは意識よりも先に体が動いていた。
‘バン!!’
凄い勢いで扉を開ける。
やっと頭が回り始める。
しかし、すぐに頭の回転は止まる。
目前の風景があまりにも非日常的で直ぐには理解出来なかった。
段々と視界を通して脳に飛び込んでくる情報はさらに混乱を呼ぶ。
大量の血の海に倒れている母と父。
その母父を見下ろすように立っている覆面を被った黒ジャージの、体格からして男性であろう二人組。
手にはサイレンサー付きの銃が握られている。
さっきの音は、コレか。
想像を遥かに超えていたこの状況だったが、
不思議と冷静に鮮明に目に映っている。
カイトは自分の中に芽生える本気の殺意に体を奮わせる。
二人組はすでにこちらに気付いており、身を固めている。
《来る―》
カイトがそう感じた瞬間、二人組は銃をこちらに構えた。
最初のコメントを投稿しよう!