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少女の元へ戻るとすぐに自分の手のなかにある水を差し出した。
少女は“何だこれは”と言いたげな顔をして小十郎の手の中の水を眺めた。
『ただの水だ。飲め。』
と言うと、少女は少しだけ間を取り一口猫のようにペロッと舐めたが飲もうとせずそのまま顔を引っ込めた。
『飲むときまで猫みたいにしてんじゃねぇ!!!』
と小十郎が言うと無理やり少女の口に自分の指を押し込み、水を流し込んだ。少女はビックリして小十郎の胸を押そうとしたが両手で握り飯を持っているため押すことができず、一時飲むことを拒んだが、無理だと判断して仕方なく水を飲んだ。
すべて飲み終えると安心したかのようにフゥっと息を吐きまた握り飯を食べ始めた。
『たく、手の掛かる猫だな・・・・・』
とふっと笑いながら食べる姿を眺めていた。
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