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ようやく食べ終わり、満足そうな顔をしてフゥっと息を吐いた。
二人は一時黙っていたが、しびれを切らして小十郎が話しかけ始めた。
『えっと~・・・お前なかなかいい腕をしていたが、どっかの家来なのか??』
『・・・・・・・・・・・・・・』
一瞬ピクッと反応したように見えたが喋ろうとはしなかった。
『じゃあ・・・・・・お前幾つだ??』
『・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・じゃあ・・・・・お前どっから来たんだ??』
『・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・お前言葉わかんねぇのか??』
フルフル
と首を横に振った。その行動に少しビックリしたが、言葉はわかることがわかった。
『じゃあ喋れないのか?』
フルフル
首を横に振った。
『喋らないのか??』
コクン
と一回だけ頷いた。
『何で喋らないんだ??』
そう問うと、少女は何も答えなかった。
『喋った方が楽だし、相手に気持ちも伝わる。だからなんで喋らないか教えろよ。』
そう言うが、少女はまた何も言わなかった。そのかわり少女は小十郎を睨みつけた。 “そんなこと聞いて何がしたい”
と言うような瞳で。
『いやっ、その・・・・・喋ったら楽になるかなぁって思っただけだ・・・・・』
少女は“変な同情なんていりません。私のことはほっといてください。”
と言うような瞳でまた睨みつけてきた。
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