出会い

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小十郎は困った。何処の者か分かればその国に行って送ってやれると思っていたのに、歳すら答えようとしないとなると困ったものだ。 と言ってこのまま少女を1人置いていくわけにもいかない。 『どうすっかなぁ・・・』 そう言うとふと足下に何かあることに気がついた。それは一本の細い木の枝だった。 『!!そうだ!!』 そう言うと小十郎はその枝を手に取り少女に差し出した。 『ほらっ、言葉が分かるなら文字ぐらい書けるだろ??この枝で地面に書け!!』 少女は一時その枝を眺め、小十郎に視線をうつした。 “何故書かなければならない” と言うような瞳で睨みつけた。 『お前のことが知りたいだけだ。書きたくなかったら別に書かなくていいから、なっ??』 少女は微笑みながら自分に向かってそう言う男を‘物好きな奴だな’ と思いながら枝を受け取った。
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