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“那栂鋳軍の忍びでした”
『・・・・・・なんて読むんだ???』
『たぶん、‘なつがい’と読むんではないでしょうか?』
そう小十郎が言うと、
“その通りです”
と椿が答えた。
『那栂鋳って軍なんか聞いたことねぇぞ??本当にあんのかそんな軍??』
“ここより西の方にある山奥にある小さな国、と言うより村です
長宗我部軍の手前の山の中らへんでしょう
もともと戦いを好まぬ故ひっそりと暮らしておりました”
『そんなとこがあったんだな。お前は知ってたか小十郎??』
『行ったことはありませんが、何度か耳にしたことがあります。確か、主の名は‘那栂鋳 迫充(なつがい はくじゅう)’とか言う名前だったような・・・・・』
その名前を聞いた椿は少し震えていた。しかしすぐにその震えは止まったので、2人には気付かれなかった。
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