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椿は小十郎と会ったときのように、消え入りそうな美しい声で歌っていた。 前は小十郎に気づいて歌を途中で止めてしまったが、今は歌を続けている。 小十郎は椿の歌声を目をつむり静かに聞いていた。 とてもきれいな歌声に心が和むような感覚がした。話すときの声はさぞかしきれいな声で話すんだろうな、と思っていた。 しかし、椿が歌う歌は美しいが、何か強い恐怖と悲しみが感じられるような気がした。
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