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そう思いながらも小十郎は歌を静かに聞いていた。 一時して、声が聞こえなくなったので目を開けると、椿は歌を止め小十郎の方を向いていた。 『悪いな立ち聞きして、綺麗な歌声だったんでつい聞いちまってな。 それより椿、降りてこい。良いもんやるぞ。』 そう言って小十郎は椿に手招きしながら廊下の縁に座った。 すると椿は木の上から飛び降り、音を立てずに着地した。そして小十郎の所まで近づいた
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