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目の前に来た椿にさっき台所へ行って作ってきた2個の握り飯を差し出した。 椿は眉を寄せ、怪訝そうな顔をした。 『おら食え。腹空いてるだろ??飯の時、野菜しか食ってなかったらしいからな。』 しかし椿は一向に食べようとしなかった。 『何で食わないんだ??今食わないと朝まで保たないぞ??』 すると椿は近くに落ちていた木の枝を拾い、文字を書き始めた。 “腹は空いていません” 『あぁ??野菜しか食ってないのに腹が空いてないはずないだろう??』 “もともとあまり食べませんし、私は野菜しか食べません” 『何言ってんだ??この間握り飯食ったじゃねえか。』 “あの時は二週間ほど食べていなくて流石に腹が空いていたので食べました” 『・・・・・・・・・そりゃあ腹も空くな・・・・・・・でも何で野菜しか食わないんだ??』 “肉や魚は不味くて食いたくありません” 『贅沢言うな!!肉と魚に謝れ罰当たりやろう!』 “不味い肉と魚が悪い しかし野菜は瑞々しくとても美味しいので毎日食べても飽きません” 『じゃあ、米は??』 “米も不味い” 『贅沢言うな!!』 そう言って、椿の頭を軽く叩いた。
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