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みんな神妙な顔付きだ。
『ん?』
桃子は言った。
そして雪哉がゆっくりと話し出す。
『………あさぎ一巳ってな……………有名な都市伝説の幽霊なんだけど……』
『えっ??………ええぇ~~~??!』
桃子は言う。
『夏休みに入る前に、図書室に閉じ込められて、この学校で餓死して死んじゃった女の子よ。この学校にも、ちゃんと準備室に花が置いてあるよ。……供養してるんだと思う。』
光は言った。
図書室に閉じ込められて…………………餓死…………………
桃子にあの時の出来事が蘇る。
『いやぁ!!!あたしを閉じこめないで!!!出して!!!』
『出れるのよね?助けるのよね?』
『あたし閉じ込められるのが大嫌いなの…………昔のトラウマで………』
『ごはんが食べたくても食べれなかったの……』
『拒食症じゃないよ』
『……ありがとう……だからあの日…』
あの時あさぎが口にしていた言葉を一つ一つ思い出す度………その都市伝説と当てはまっていて…………………納得できた。
桃子はポケットからあの時あさぎからもらったハンカチを見る。
『何?それ』
ありさは言う。
『………あの時あさぎにもらったの……………あさぎ…………あたしにとても優しくしてくれたんだよ?………………幽霊だったんだ………』
桃子は言った。
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