いつもの朝

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「へぇ~。」 俺は素直に驚いた。 フェイト・T・ハラオウンと言えば闇の書事件や最近ではJS事件などの大規模事件を解決した凄腕の執務官だ。 まぁ、確かにSランクオーバーの実力は持ってるみたいだし頭も切れるみたいだから、あながち有り得ない話じゃ無いよなぁ。 って事はホントに退かせたのかよ。 ついつい一人で考え込んでしまう。 「ふむ。考えるのは良いことだが、一人の世界に入り込むのは悪い癖だな。」 思考を中断させるように沈黙した部屋に取り残されていたアルフレッドが口を挟んでくる。 毎度の事ながらこの癖だけは、なかなか直らない。 「まぁ、悪い癖は他にもいろいろあるがな。」 訂正。直さなくてはならないのはこの癖だけでは無いらしい。 ザッと数えただけでも…。け、結構あるな。数えきれん。 「とにかく、お前のこれからの行動は件の執務官に対しての聴取と、目標の今後の行動予測だ。」 顔を引きつらせ、微妙な冷や汗を流していた俺にアルフレッドは呆れ顔で指示をだす。 その表情を見ただけで、まったくコイツはと言う声が聞こえてきそうだ。 「あはは~…。コホン。」 頭を掻きながら苦笑いを浮かべていたが、そうしていても埒があかない為ワザとらしく咳払いをする。 「え~と。そのハラオウン執務官には調整とかってついてるんですか?」 取りあえず気になった事を聞いてみた。 因みに気になった理由は自分で日程の調整をつけるのが面倒だからと言う、至極当然の考えからだ。 多分、このオヤジに言わせればこの考えも直さなきゃいけないんだろうけど。 人間そう簡単には変われないものなのです。 「その辺は問題無い。お前に任せていては心配なのでな。既に日程などの調整は済んでいる。」 おお!流石は我が敬愛するクソオヤジ! やっぱり一言多いぜコンチクショー! 直ぐに湧き出て来た文句をグッとこらえ、日程について聞いていく。 「場所は適当な所が確保出来なかったのでな、ハラオウン執務官の執務室でとなっている。日にちは明日だ。時間についてだが、明日は一日中部屋にいるそうだから好きな時間で構わないそうだ。」 矢継ぎ早に告げられる。 いつも思うんだがこのオッサン、物事をいっぺんに告げる節がある。 お陰で瞬間暗記力だけは上がった…ような気がする。
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