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今、蘇生した。
死んでいた。
僕は死ぬのが好きだった。自分を殺してるわけじゃないので、自殺ではない。
世間的には僕の死を『睡眠』というらしい。僕は死と呼ぶが。
というより、僕は睡眠することは死ぬということだと思っている。死んで、生まれ変わることだと思っている。
眠りが浅く、意識が無い時は死んでいる(ノンレム睡眠時)。逆に、夢を見ている時(レム睡眠時)は、生まれ変わっているのだ。
夢、あれを見ている時の、不思議で理不尽な体験は、自分のものとは思えない。他人の世界を覗き見しているようだ。一時的に他人に生まれ変わって。
だから、起きた(蘇生)した時、果たして自分は自分であるのかどうか、不安になる。
まだ生まれ変わったまま、どこかの他人のままだったら? 違和感がないだけで、自分が他人を渡り歩いているのだとしたら?
だとしても、構わない。
自分が自分に還るために、また繰り返し死ぬだけだ。
それが僕の一生で、人生。
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