プロローグ

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ガチャ。 古い小さなアパートのドアが開く............ ドアを開けたら太陽が僕を待っていたかのようにひょっこり顔をだしていた。 眩しい。 あぁ僕も太陽みたいに輝ける人生が欲しかったなぁ パンをくわえながらふとそう思った。 父に『学校行ってくる』と一言だけ言い慌てて玄関を飛び出した。 小学生がよく読む漫画でお馴染みのあのシーンだ。 一歩アパートを出たら女の人と小さな男の子がいた。 おそらく親子だろう。 その親子は幼稚園のバスを待っているところだった。 僕はその親子を羨ましそうに見ていた。 笑顔で元気に話し掛けている男の子。 男の子の母親は『すっごいね~よくできました』などと,とにかく誉めていた。 その光景を見るたびに心が.....痛い その光景を昔の僕が見たら泣いていただろう。泣きさけんでいただろう。 だけど... 今は泣かない。いや泣けないのだ。 僕は心に誓ったのだ。 あの日を境に泣いちゃいけないと....
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