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    光の向こうで何を見たのか。光の向こうから何を見るのか。     パパスはアッヌゥスゲートをくぐり、光の道を歩いていた。     光の洪水をかき分け、進んだ先には、「受付」と書かれたカウンターがあった。     カウンターの中を見ると、小綺麗な、どこかのホテルの様な制服に身を包んだ老人がうつらうつらと眠りこけそうなのを我慢していた。 老人の周りには、簡単な帳簿と古ぼけたベルがあった。     「パードゥン?」     パパスがそう呼びかけると、老人は、昏睡状態から目覚めていきなりラジオ体操第二まで一気にやりきってしてしまうんじゃないかと思うぐらい、急激に背筋を伸ばし、帳簿を開いてパパスの前に差し出した。     「お待ちしておりました。シャングリラへと向かわれる方ですね?まずはこちらの帳簿にお名前を記帳願いますかな」     そう言われたパパスは、ほんの2、3秒、空を見つめ、帳簿に名前を記入した。     「田中健」     「ありがとうございます。田中様。ささ、準備は出来ております。私の後ろを付いてきて来てくださりますかな」     帳簿に偽名を書いたパパスは、老人の後を付いていく事にした。そこで、問題が一つ。何故、パパスが偽名(伊集院光の本名)を書いたか。だ。     普段から怪しげなビデオ屋に通っているパパスは、何枚かの会員証を持っている。その会員証を作る時も偽名、偽の住所(大抵は、悪友の住所を拝借している)で通し、家に連絡が来るのを防いでいる。 家には、神よりも怖い、鬼みたいなママスがいるからね。                     
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