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「残念だったな…19人と同じ結末だ…」
携帯がポケットの中で振動する。
「プルートォですが…」
「どうでした?どうせまた同じ結果でしょう。あとは任せて貴方は戻って良いですよ」
「……………」
「では…週末に又」
と言葉を残してミネルヴァは電話をきった。
「いつ聞いても…嫌な喋り方だ」
僕は空間転移を使い電車内に戻った。
(さぁ…母さんを追いかけないと)
僕は先程母さんが走り去った方向に向かい走りだす。
「ぐすん…ぐすん、ひっく…」
母さんは車両の奥の席に座りながら泣いていた。
「ぶぇ…ぶええぅえぇええん」
ついに声を上げて泣き出した。
僕は騒ぎになる前に急いで母さんの元にかけて行った。
「母さん御免よ…僕は母さんの事…」
「ぐすん…母さんの事?」
「…………」
言葉が詰まってしまう。
「やっぱり…やっぱり~ぶええぅえぇええんん」
「あわわわっ母さんの事…好きだよっ!」
言い切ってしまった。
しかも慌てたせいで大声で言ってしまう。
「あっ………」
周りの家族連れやカップルの視線が僕を捕らえている。
「ひそひそ…」
「ひそひそ…」
そして何か僕を見ながら話している。
(はぁ~疲れる…)
「母さん…さぁ泣かないで。ねっ?」
「うんっ!分かった」
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