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「スーパーぐらい一人で行ってよ…」
「うぅぅ…志季ちゃんは又ママに迷子になれって言うの~?…しくしく」
そう母さんはコンビニに以上の広さの所に行くと、必ずと言って良い程…迷子になる。
そして…『迷子のお知らせです。雪空志季様、お母様が迷子になっておられますので、迷子センターまでおこし下さい』
と呼ばれるのである。
「パァパ~志季ちゃんがいぢめるぅ~」
と言って母さんは父さんにしがみつく。
「し、志季!頼むから母さんと一緒に買い物に行ってやってくれっ!」
「…わかったよ…行くよ、行きますよ」
「わぁ~い♪あ・り・が・と・う♪志季ちゃん大好きぃ~」
そう言って母さんはジャンプして僕にしがみつく。
「すりすりすり~」
母さんは僕の胸に顔を擦りつけてくる。
「か、母さんっ!止めてよっ!」
「なぁにぃ~?照れてるの?かっわいいぃ~♪」
そして強く頬を擦りつけてくる。
家族の間では『すりすりモード』と言われていて何故か僕にしかしない。
「い、行ってくるぞ…頑張れっ!(僕にしか聞こえない様に)」
父さんはそう言って玄関を出て仕事に行ってしまった。
つまり…僕を見捨てて生き延びた。
「父さぁぁぁぁん!」
僕の叫びがリビングに木霊した。
この後…30分後に僕は解放された…
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