329人が本棚に入れています
本棚に追加
「さぁ~しゅっぱ~つ♪」
母さんの一言で玄関を出て新オープンのスーパーに向かう。
「るんるんるん♪」
母さんは上機嫌。
「なぁ、もしかして…歩いて行くのか?」
「ん~違うよ。電車に乗って二つ目で降りて、20分ぐらい歩いたとこにあるの~」
「車…使おうよ」
「えぇ~~~~」
母さん頬を膨らまている。
「志季ちゃんはママの運転が怖いって言ったから…こうして歩いているのに…ぐすっ」
「わわわわっわかったわかったから、うん、歩いて行こう」
母さんの顔が笑顔に変わり再び歩きだした。
「るんるんるん♪」
母さんの買い物の時のテンションは異様に高い。
「ぎゅ…」
母さんは僕の右腕にしがみついてきた。
「う、うわぁ~」
僕は慌てて母さんの腕を振りほどく。
「うぅ…志季ちゃんはママの事…嫌いなのね~~~」
「い、いや…そんな事はないけど…」
「だったら何で振りほどくの~?」
母さんは上目使いに見つめてくる。
「い、いきなりで驚いただけだよ…本当に…」
「本当に?」
「本当に」
「わぁ~~~~い♪」
母さんはそう言ってまたしがみついた。
「ぎゅ~~~」
そして強く力をいれしがみつく。
(母さん…膨らみが…当ったる…)
「ぎゅ~~~」
胸の膨らみが腕に当るなか僕と母さんは駅に着いた。
最初のコメントを投稿しよう!