不思議の国のアリス

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 長い耳に沢山のピアスを付けて、じゃらじゃらと煩い音を鳴らしながら彼は言う。  銀色の長い髪を掻き上げながら、彼はくすっと笑った。優しくて意地悪で何だか胸の奥が苦しくなる。  嗚呼、そうか。私は彼の事が好きなのだ。彼の長い睫毛が私の吐く熱い息のせいで、まるで野に咲く花のようにゆっくりと揺れる。  
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