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朝。私はザワついている教室の扉の前に立つ。
何だろう?まぁ。いいか。
適当にスルーして引戸を開けて、自分の席に付く。
その瞬間。
「おはよ➰!!」
と言う声と共に紅い色の髪が目の前を被い尽くした。
こんなことをするのは一人しかいない。
「菊花。前が見えないよ」
そう言うと覆い被さっていた髪が退いた。
「ぷぃ〰」
菊花が文句を言う。
隣の席の雛美香が菊花に向かって言う。
「姉さん。亜禾莉が困ってんだから、もぅやめなよ。」
「でもぅ。」
またいつもの菊花のワガママが始まる。
まったく。
この二人を見てるとどっちが姉だか分からなくなる。
唐突に菊花が
「あっ。そうだ!!あのね亜禾莉ィ。転校生が来るんだよ♪」
と言った。
通学鞄から本とか筆箱とかを取り出しながら
「ふぅん。そうなんだ。」
と、気の無い返事をする。
その反応を見た菊花は頬をぷく〰と膨らませながら、絶対に亜禾莉が食らい付くだろう。キーワードを言った。
「亜禾莉ィ。双子だよ。」
ぴたっ。亜禾莉の反応を見て満足した菊花は
ニョホホ♪
っと笑うと自分の席に戻って行った。
亜禾莉は隣の雛美香に聞く。
「まぢ??」
雛美香の返答は呆気ない物だった。
「まぢ。」
すると雛美香は自分の机の中から本を取りだし読み始めた。
こうなると雛美香は始業のチャイムまで本を閉じない。
「はぁ。」
そうため息を付きながら菊花の方を見ると他の子達と騒いでいた。
本当にこの二人は対照的だな。
物静かですべてに置いて「苦手」とゆうものがない万能型の
雛美香。
うるさく騒ぎがデカく馬鹿だが運動ができるのが
菊花。
まったく反対だ。運動ができる以外は。
そんな事をしている内に担任の日下部が入って来た。
本名は日下部(くさかべ)千草(ちぐさ)。
かなり自由な人間だ。
「皆おはよぅー。席に着けぇ。今日は転校生が来るぞ。双子で女子だ(男子が騒ぎ始めた)。」
そして皆を見ると
「(教室に)入れてもいいよな??」
と、聞いて来た。
教室全体から
OK。とか
はーい。とかの声を確認し(何故だか髪をいじった男子がいた。)廊下に向かって声を掛けた。
「おーい。天野達ィ。入ってきて良いぞー!!」
すると
腰くらいの長さの紺色のストレートを揺らしながら
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