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ケン『じゃ~行くかっ!?』
ヒロ『おぉ~。蒼介またなっ!!』
ヒロ君があの頃と変わらない言い方をするから、蒼ちゃんの“おぅ”って返事が聴こえてきそうな気がして胸が熱くなった。
龍『…陽愛…?ちゃんと向き合えたか…?』
龍の優しいその言葉に、涙が溢れる。
レナ『ねぇ~この後、みんなてご飯食べに行こうよう~♪』
ケン『いいねぇ♪』
ヒロ『じゃ~お好み焼き食いに行こう!!』
レナ『え゛~何でお好み焼き~?』
ヒロ『蒼介お好み焼き好きだったんだよ。』
ケン『そう言えばそうだったなぁ~。』
みんな、お墓から離れ車へと歩き出すのに、私はお墓の前から一歩も動けずにいた。
龍はそんな私の頭を優しく撫で、ソッと微笑んでくれて
龍『先に…車戻ってるな。』
ポンポンッと優しく頭を撫でると、太陽を連れそのまま歩いて行ってしまった。
取り残された私は1人…
蒼ちゃんのお墓と向き合い…
そして空を見上げた。
蒼く澄んだ空は
どこまでも広がっていて
その空に触れたくて
流れる涙をそのままに、
私は空に両手を伸ばした。
その時
強い風が吹き…
お寺に咲き並んでいた満開の桜の花びらが…
一斉に蒼い空へと舞い上がった。
蒼い空に…
太陽の光を浴びながら
ハラハラと舞い上がる
淡いピンク色の小さな花びら…
それが
あまりにも綺麗で…
私は自然と笑顔がこぼれた。
それは…
蒼ちゃんからの贈り物の様な気がして、私は瞳を閉じ、蒼ちゃんを想った。
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