life―50

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  結局、一言も口をきいてくれないまま…圭太は帰ってしまった。 その後は、俺からの電話もメールも一切無視。 週末はデートに誘うつもりだったのに…。 時間の合わない中、会いにいった昼休みの教室にさえ、圭太はいなかった。絶対避けられている。 「俺、フラれるかも」 「才蔵付き合ってる子いんの!?」 グラウンドに面したベランダで過ごす昼休み。 体育座りでうなだれた俺の隣で、クラスメートの藤谷春(ふじたにしゅん)が叫んだ。 「春、うるさい」 目の前には、ベランダの柵に凭れて立つ木島冴子(きじまさえこ)。我等が学級委員長様だ。 黒いストレートの髪をなびかせ、こっちを見下ろす目元にはちゃんと眼鏡が掛かってる。委員長と言えば眼鏡だろ?クールだぜ木島。 そして、この委員長と俺の隣に腰掛ける藤谷は幼なじみらしい。仲の良い二人だが、木島は専ら藤谷のフォロー役だ。  
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