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「ねぇ、兄さん。あっちにね…ごほっ、ごほっ…っ」
苦しそうに咳き込むアシュリーの背中をさすってやる。
《もうそろそろ飯どきの時間だな…》
「アシュリー、部屋で休んでいろ。」
「アレク兄さんは?また、行ってしまうの?」
「あぁ。」
アシュリーの頭を撫で優しく微笑むが、アシュリーの表情がだんだん悲しげに歪む。
「どうした?アシュリー。」
「兄さん。この前怪我して帰ってきたじゃない…僕、兄さんがいなくなったら…」
「バカだな。こんな傷大したことない。アシュリーは心配症だな。」
アシュリーの頭を撫でてやり、優しく微笑むとアシュリーを腕の中に優しく包み込む。
アシュリーが心配しているのは、前に俺が村人を一人襲ったとき抵抗されて腕に傷を負ったのだ。
「大丈夫だ、アシュリー。俺はちゃんとお前の元へ帰ってくる。」
「うん…行ってらっしゃい…」
どこかまた心配している表情をしているアシュリーに微笑むと、獲物を狩りに空に舞う。
さぁ、血に染められた舞台の幕開けだ…
終わり
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