事の発端

13/25
24459人が本棚に入れています
本棚に追加
/514ページ
「別に? 大した事じゃないし。凛に遊園地のチケット渡しとくから気が向いたら一緒に行ってやってくれって。ただ、二十日……だから明日か。また暫く出張で留守にするから、ついでに凛を俺の家に泊めてやってくれってさ」 要は、凛の父親に聞いた話をそのまま凛に伝える。 「はぁ!? そんな話、全然聞いてないし! てゆーか! 前回といい今回といい、父親が娘の外泊をそんな簡単に許すとかおかしくないですか!? 」 「あぁ……まぁ普通じゃ有り得ない話だな」 想像通りというか、想像以上の凛の剣幕に要は若干気圧される。 「ま、それだけ俺が信用されてるって事だろ?」 「はははっ」 要のその根拠の無い自信は何処から来るのか……言葉にならない凛の思いは乾いた笑いに変わる。
/514ページ

最初のコメントを投稿しよう!