事の発端

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「何だよ、その笑いは」 「べ、別にぃ?」 要の刺すような視線から逃げるように、凛は明後日の方向に顔を向けた。 「ま、いいけどな。で、これはもう決定事項。土曜の朝に迎えに行くし、嫌って言っても連れて行くからな。以上」 「以上って、そんな勝手に……」 要は一人で話をまとめると、一応確認するように凛に問いかけた。 「嫌なのか? さっきは喜んでただろ?」 「嫌じゃないけど……さっきと今とじゃ状況が違……」 「なら問題無いだろ? それより……」 しかし、その反論には聞く耳も持たず、凛の細い体を自分の元へと引き寄せ耳元で囁く要。 「さっきの続き……しないか?」 凛の髪の毛を耳にかけ、露になった耳を甘噛みする。 「っ、しません! この変態教師!! もう帰るから! さようなら!」 腰に絡まる要の手を振りほどき、凛は鞄を手に準備室から出て行ってしまった。
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