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駅前には、お気に入りの店がある。
ジャンルを問わず、いろんな雑貨を置いている店だ。
歩いてきたせいで、じんわり汗ばむ額を、そっとハンカチで抑え、店に入ると、空調の冷たい風が、すっと体中を撫でた。
店の中には、レジに立つ店員と、商品を整理しているもう一人の店員の他に、6人の客がいた。
一人は朋美と同じような、OLらしき女性。
それから、仲良く食器を吟味している、カップル。
新婚だろうか…?
と思われるような会話をしている。
女子高生らしき二人組もいる。
もう一人は…
店の雰囲気から切り離されたように、妙に場違いに見える男が一人。
格好も至ってシンプルで特に変わったところなどないし、どちらかと言えば整った顔をしている。
何故か朋美は、その男に目を惹かれた。
べつに好みのタイプでもない。
ただ、気になる。
目で追ってしまっている。
何故そんなに気になるのか、彼女自身にもわからなかった。
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