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買い物を済ませ、食事に向かう。
一人の時によく利用する店で、それは駅の裏の路地の目立たないところにある。
小さな店で、客もまばらだけど、隠れ家的で気に入っていた。
客のほとんどは常連で、いつ来ても、知った顔ばかりで、安心する。
朋美と同じくらいの年の男性二人がやっている、イタリアンの店だ。
そこでは、メニュー以外にも、リクエストに応じて、いろんなものを食べさせてくれる。
今日は、『旬の野菜を使った料理』をリクエストしてみた。
それからビール。
ふと、一番奥のテーブル席に座る男性と目があった。
常連ばかりのこの店に、見たことのない顔があるのは極々稀なことだ。
よく見ると、それは先程の雑貨屋で見かけた あの男だった。
ここでもやはり、店の雰囲気と切り離されたような、不思議な違和感を感じさせた。
さっきと同様に、朋美はこの男が妙に気になってしかたなかった。
食事をしながらも、やはり気になってしまい、チラチラと見てしまう。
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