とんでもない素顔

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今、私達の前には美味しそうに湯気をあげる朝食が並んでいる。 一品だけ、煙を上げたけど……… 「お弁当は?」 「忘れるかっての…」 彼は自分のお弁当箱を持ち上げて見せた。 「それじゃ!」 私はぱんっと手を合わせた。 それに続いて彼が―― 「いただ――」 ―ピーンポーン…― いただきますって言うんだけどな…いつもは… 「こんな朝早くから何だ?」 「やっぱり進級の朝は一味違うね」 「卵焼きもな」 「うっ……」 「とりあえず応答な」 「あっ、そ、そうだった」 彼に促され、私は呼び鈴に繋がる受話器を取った。
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