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「まずは自己紹介といこうか。私の名は『シャオラス・セヴァ・ラミュール』。この森で一人で暮らしているよ。あんた名は?年齢(トシ)は?」
「‥‥‥」
しかし繭海は答えない……否、混乱して答えられないのが本当のところか
「なんだい、聞こえてないのか?人の顔をジロジロと」
不機嫌に眉を潜め睨め付けると繭海は慌てた
「マユミッ…っ、うぅ……ま、繭海です。……ハ……ッ‥…て、天、堂…繭海、9歳、ですッ」
力んだ所為で傷口に響いて蹲る繭海の反応に、満足した顔をする
「テンドー?マユミ……どっちが名前だい?テンドーか?」
顎に手を寄せ、首を傾げたシャオラスの意図が分からなかったが、そのまんま素直に質問の答を返した
「? ……ええと繭海が名前です」
「マユミ……繭海か。良い響きだね。
なら繭海、順を追って説明してもらおうか?」
説明を促されても繭海は困った様に顔を曇らせる。自分自身でさえ、状況も立場も把握してないのだから当然といえば当然の反応だ
「順……って言われても、僕も何が何やら……」
考え込んでしまった繭海の様子を見てシャオラスの方が口を開いた
「アンタは空から落ちてきたんだよ。どうやら私の方がアンタ自身より知ってそうだね……なら1つだけ確認するよ?」
立ち上がったシャオラスが次の瞬間、繭海の視界から消える
「?!」
その姿を認める前に、突如体に激痛が襲う
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