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ソレを認め、暫くしてシャオラスの手が繭海の赤く染まる脇腹を解放し、体の上から退く
「げっ …は ハァハァ…ヒュ…ぐぅッ、ぅえ…っ」
途端、激しい嘔吐感にシーツの上を胃液で汚してしまう
吐ける物が無いせいか苦しさは増しただけである
その上、下半身が血だらけになる様はひどく生々しく改めて吐いてしまう
「ハァ ハァ ハァ…… 」
「やれやれ空の住人でもなければ落ちてくるなんて芸当できないと思ったんだけどねぇ。
悪かったよ、疑る事も充分必要なのさ。例えガキだろうとね……と言っても今は聞いちゃいないか……まぁ替えのシーツはあるし、思う存分吐いちまいな。
麻酔薬を直接植えたから、痛みも時期引くだろうよ」
手にしたのは籠の中の白いシーツ
ハァ ハァ(もしかして、こうなる事を見越して予め用意してたんじゃ……)
横目で見ながら解釈したソレは正に的を射ていた
痛みも治まった頃、シャオラスは新しいシーツを広げながら繭海を振り返る
「吐くだけ吐いたなら、いい加減嘔吐感も失せただろ?嗽(ウガイ)して口の中を流しておいで。
充分休息を摂ったし、歩けるだろ?」
さっきの態度が夢か幻であったかのようなサバサバしたシャオラスの態度に心底目を丸くする
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