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その場所は、草原が広がり迷宮独特の黒紫色の陽が差し、1年中眩しい明かりが差すことはない
ひどく寂しく妖しい処、それが迷宮(ラヴァース)
ラヴァースに着いてから、パオルは今日みたいに気分転換と称して度々螢を牢城から外へ連れ出しては、景色の美しい場所を案内するのだ
ラヴァースの中で最も不思議だと思ったのは、この景色。道の端に並ぶ美しく輝く鉱物、空には7色に反射するシャボン玉が常に飛んでいた。
雲はピンクに近く紫や緑に澄んだ海、色合いさえ気にしなければ、かなり迷宮は素晴らしい処だった
『地上の無界には単純な眩しい陽の輝きを、天空の迷宮には複雑で暗い光りと美しさを与えた』
パオルが何気なく呟いていた事
「この世は3つあると考えていい」
螢の目の前で、指3本を立てて愛想の良い笑顔で語り初めたパオル
「3つ?」
「1・ラヴァース 2・ゼロアース ……そして3・ホタル様のいた異界『セフロティア』、異界人は『セフロティアス』ね。
で、セフロティアは対なす世界の存在を知らない。僕等のように錬術は持たないらしいからね」
そう言ってパオルは無邪気に笑った
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