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「強いて言うならアンタがどこまでやるか見てみたくなったってのが理由だ。
……しかし条件を飲んでもらう」
突き出された人差し指に一歩後退る
「条件?」
「ああ。ここを出て行く前に私から武術を学びな、少なくとも自分の身くらいは護れる程度までね…でなければ許可は出さない。弱者が勝手な行動を起こせば必ず第三者が巻き込まれるんだ。それだけはどうしても私のポリシーに反するんだよ」
「あ、あなたの許でッ…デス、か?」
どう反応して良いのか困り、シャオラスの話を聞く
「基礎さえしっかりしたら充分だよ。まぁ期間は一年と決めようか。その間にアンタがどれだけ修得するかだが、何と言ってもソレは素質は勿論、努力だ!いいね?」
遠巻きに、諦めたら終わる事を念押しされた言葉を察する
繭海から雑念が消えていくのが見て取れていった
そして……
「ご指導の事、お願いします」
深々と頭を下げる繭海に、シャオラスは宙を仰ぎ見る
(お手並み拝見といくかね…繭海、どこまでやるかな?)
その後、繭海は彼女の許で約十ヶ月の間、修行することになる
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